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助けを求められなかった皆見少年のお話
園長の皆見です。児童発達支援センター伊予くじらの『ことばの種』の記事にとても共感したので、皆見少年のエピソードを交えて紹介します。
私たちが園生活で子どもたちに身につけて欲しいと願う最も大切なことは『助けを求められる』ことだと考えています。
助けを求められるということは、何かの形で発信ができるということ、社会で生きていくために重要な『生きる力の基礎』ではないかと思います。
悩みごとは口から出すべし!|社会福祉法人くじら (kujira-swc.jp)
まずは、上記リンクから児発の記事を読んで、下記の記事をご覧ください。
小学校2年生の進級初日、それまで1年生の教室はA校舎1階でしたが、B校舎2階になりました。
言葉ではB校舎2階に行かなければならないのを知っていましたが、具体的な場所が分からず、初めての場所に1人で行かなければならず、泣きながらさまよったことを覚えています。
間が悪く、友だちも、誰も近くにいませんでした。
さらに私は自分から発信できる子ではありませんでした。
泣き崩れてまるで世界からたった1人取り残されたかのような感覚を思い出せます。
あの時私が助けを求められる力が、勇気があれば、近くの教室の誰かに尋ねることができたでしょう。
だからこそ、くじらで一緒に過ごした仲間にはそんな思いをしなくて良いように、園生活の中で自立ができればと切に願っています。
皆見少年の結末はというと、たまたま近くを通りかかった上級生のお姉さん2人に連れて行ってもらって解決しました。
そんな状況だったので、そのお姉さんたちの顔も名前も覚えていませんが、25年前の思い出だけは鮮明に残っています。
くじらの子どもたちが誰かに助けを求めることができて、誰かを助けることもできますように。