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【3歳以上クラス】道具箱の紹介シリーズ③『のり』
当園では3歳児クラスから道具箱などの個人もち保育用品を使用しています。どんな道具があるのか、どんなことを育てていきたいのか、そんなお話を全8回、更新していきます。
今回は3回目です。下のリンクから過去の記事も合わせてご覧ください。
【3歳以上クラス】道具箱の紹介シリーズ①『クレパス』|上ノ丸くじら保育園|兵庫県明石市の保育園 (kujirakodomo.com)
3回目は『のり』です。
大人はスティックのりを使うことが多いと思いますが、幼児期はあえて指で塗る『でんぷんのり』を使用します。(以下、『のり』と表記します)
のりは、セロハンテープやガムテープなどテープ類と比べて、圧倒的に使用頻度が多く、理由は色紙や画用紙などの紙の製作物を作ることが多いためです。
そして、園生活で毎月製作があるのは、幼児期に道具を使って様々な経験をすることが重要だからです。
のりを使うことで経験して欲しいのは次のような点です。
①量加減を知る
たくさんつけるとべたべたになる、上手く貼れない、乾きにくいことを体験を通して学びます。薄く伸ばしても十分接着力があることに気づいていきます。
つけすぎたのりは、容器のフチに指をあててそぎ落として戻します。
②指先の器用さを養う(巧緻性)
指を使って隅々まで丁寧にのりを塗り広げる作業はのりの量によっても力加減が変わりますし、小さな指の幼児にとっては時間もかかって根気が必要な作業です。手は突き出た脳と言われるように、幼児期には指先をたくさん使うことが大切です。
③どのように塗れば上手く貼れるか、効率的かを考える
封筒に封をする時にのりを塗る場所を想像してみてください。
3歳児の初めは、想像したその部分全体に塗ってしまってべたべたになります。
塗る必要のない部分もびっしりのりだらけということもあります。
保育士が「この部分にこのように塗るよ」と見本を示しながら活動していくことで「この部分に塗れば、こことここがくっつく」という見通しが持てるようになっていきます。
④容器をきれいに使う
フタの周りにのりがついて固まってしまうと、中身も固まり始めます。容器の外ものりがついた手で触ってしまうと後日パリパリにっているなることがよくあります。きれいに使うことを声かけていきます。
次回は『自由画帳』をご紹介します。
***コラム ここが保育士の専門性***
保育士は子どもの『発達段階』という成長の目安を学んだうえで、実務経験を元にさらに専門性を高めていきます。
・年齢(学年)に合った説明の仕方やスピードが分かるようになる
・過去の経験を踏まえて保育を計画できるようになる(段階を上げたり下げたりできる)
・苦手な子へのフォローの引き出しが増える(応用が利くようになる)
大人が簡単にできることの多くが子どもたちにとっては難しいものだということ、乳幼児期の1歳の差はとても大きいということを理解して、手立てを考えられることが保育士の専門性のひとつではないかと思います。