上ノ丸くじら保育園 社会福祉法人くじら上ノ丸くじら保育園

【05くじら】きいちゃんの気持ち、考えられたね。

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  • 園長のコラム

【05くじら】きいちゃんの気持ち、考えられたね。

【05くじら】きいちゃんの気持ち、考えられたね。

5歳児担任が『かわいいきいろのクジラちゃん』という絵本を読み聞かせしていたので、私もこどもたちと一緒に聞いていました。
終わってから子どもたちは、『涙が出た』、『最後よかった』とポツリポツリとでてきた3つの感想を、その時のやり取りを交えながらご紹介します。

 

1)母さんくじらの死

Kちゃん「お母さんが死んじゃうところが悲しかった。」
園長「悲しかったね。お母さんどうして死んじゃったんだろう」
Aくん「海賊船に撃たれた」
園長「うん、海賊船みたいだったね。でも良く見て。海賊はいなさそう。これはきっと捕鯨船じゃないかな」
Tちゃん「捕鯨船って何?」
園長「くじらを捕まえる船のこと。ほげいの”げい”は、鯨ってこと。ほ”は”捕まえるって意味だよ。」
Mちゃん「なんでくじら食べるの?」
園長「なんで食べると思う?難しい話になってくるけど考えてみようか。じゃあなんで魚や肉を食べるんだろう?」
Hちゃん「いろいろな物を食べるのが大事だから」
園長「そうだよね、いろいろ食べるのも大事だよね。赤•黄•緑、みんなは3色食品群しているけど、くじらは何色だと思う?」
「・・・」
園長「ヒントは魚・肉」
Dくん「あ!赤だね」
園長「うん、そう思う。きっと赤だね。赤を食べたらどうなるんだっけ?」

Hちゃん「体が大きくなる?」

園長「そうだったね。赤は体を大きくする、体をつくるんだったね。」

 
園長「じゃあなんで、くじらなんだろうってお話しだけど、園長先生なりの答えは、多分大きくて、たくさん食べられるからと思う。小さなお魚だと1人しか食べられなくてもくじらならたくさん食べられるからじゃないかな。」
子どもたち「確かに!」
園長「ちなみに、みんなが通ってるのは上ノ丸くじら保育園だけど、最初にできたくじら保育園は、捕鯨の街だったからくじら保育園なんだよ」

 

2)最後のシーン

Tちゃん「最後がよかった。」

園長「どうしてよかったの?」

Tちゃん「みんながピカピカで同じになったから。」

園長「きいちゃんだけ違う色で変なのって意地悪言われてたけど、星が願いを叶えてくれてよかったよね。でもみんなと同じ黒とかグレーとか青みたいになるのかなと思ったら金ピカだったとこがおもしろかったよね。」

Tちゃん「うん、なんか思ったのと反対だったよね(反対にみんな黄色になったね)」

 

3)いじめられていたシーン

園長「他にもこんな風に意地悪言われているシーンあったけどどう感じる?」
子どもたち「悲しい気持ち」「嫌だなって思う」…
園長「そうだよね、みんなは今、きいちゃんの気持ちになって考えられたね。これがこの前から言ってるみんなに大切にして欲しいこと”相手の気持ちになって考える”ってことだよ。そうやって考えることを大切にしてね。」

 

最後に…

園長「感想聞かせてくれてありがとう。それじゃあまた…」

Tちゃん「園長先生、絵本の最初の絵はお母さんもみんな仲良くしてよかったね」
園長「良いことに気がついたね!今までたくさんのお友達と読んだけど、それに気がついたのはあなたが初めてだよ!きっとこの絵本を描いた人が、お話の中ではお母さんも死んじゃって悲しい終わり方だったけど、この表紙ではみんな仲良くして欲しくて描いたのかもしれないね。」

 

こんなやりとりをしていました。
5歳児は、筋道立てて物事を考えることができるようになってきます。

そして、語彙も増えて、相手の話を聞くことができ、絵本のように目の前に”視覚的な何か”がなくても、内容をイメージながら抽象的な話ができるようになっていきます。

5歳児ではこういった言葉あそび・言葉でのやりとりをする機会をどんどん作っていきたいと思います。

  

 
※今回の話は担任ではない私がリードしたので、その場で完結するようにまとめてしまっていますが、あえて疑問を残して、考えたり、調べたり、検証したりする機会を設けるのも遊び(学び)の広がりには大切です。

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